田中星児
深夜、もう未明と言っていいのかな? 目が覚めたのでラジオをつけた。この時間に聞くのは「ラジオ深夜便」である。
「ラジオ深夜便」はさるお方が重体になったときに緊急の放送に備えて朝まで延長したのがはじまりであるが、その後も続けられNHKラジオの看板番組になっている。
その頃から私は折に触れ聞いている。特に民放の深夜放送に世代のずれを感じる年配者に好評だ。年配者は徐々に睡眠時間が短くなっていくから、夜なかなか寝られなかったり、今日の私のように目が覚めてしまったりした時に大変価値がある。
初めの頃は、番組編成がどうなっているか分からないような状態でいろいろなものが流されていておもしろかったが、最近はちょっとワンパターンになっている。
その中でも3時から「にっぽんの歌こころの歌」はお気に入りで、昨夜は「佐伯孝夫特集」で吉田正と組んだ歌を特集していたし、今朝は田中星児の特集である。ということで田中星児に辿り着いた。
田中星児のヒットしたと歌といったら「ビューティフルサンディー」くらいしか知らないし、事実そうらしいのだがNHKの「みんなの歌」もようなところでは名前を見たし、歌も聴いていた。
ラジオを聞いていて知ったのだが、彼は私と同い年なのだ。若いなあ。それに、のど自慢全国大会で優勝もしているそうだ。
10曲くらいの歌が流れたが実に安心して聞いていられる歌いぶりなのだ。あまりにも優等生的過ぎるのが弱点なのかもしれない。
そしてなにより言いたいことは実に美しい日本語なのである。安物のラジオで聴いていても歌の一語一語がしっかり耳に入ってくる。
最近の若い歌手がそこまでしなくてもというほど巻き舌にしたり、濁らせたりして歌っている日本語とはそれこそ雲泥の差なのである。日本語の詩をメロディーに素直に乗せたらこうなるであろうなといった歌いぶりなのである。
こういう歌いぶりでは彼には爆発的ヒットというものを現代日本では望めないかもしれないが、なんだか貴重な財産のような気がして聞いていた。


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