「地球46億年全史」(3)
「地球46億年全史」をようやく読み終えることができた。ようやくというのには意味がある。「生命40億年全史」の場合は登場する古生物はある程度土地に制約されているとはいえ、その土地に限定されているわけでなく、時間の流れによって進化してきた過程が描かれていて土地そのものの知識はそれほど重要ではなかった。
ところが,この本の場合はそうではない。土地そのものがイメージとして浮かばないとどうもストンと落ちないのである。そのあたりが「ようやく」という意味なのである。
この本の読者は地理的にも地学(地球科学)的にもかなりの素養を持った人を対象としているように思う。それらの知識が一定程度なかったら楽しく読み進めないだろう。世界の地学上重要な地域が次から次へと出てくるがそれらの地図がほとんどないのである。全体に写真、地図、図表が少なすぎる。こういうタイプの本としては全くないといっていいくらいだ。ゲームなどでは攻略本というのがあるそうだが、「地球46億年全史」を読み解くための図版集みたいなものがほしいくらいだ。
そこで、この本を読み進めるための一つの方法として、パソコンを横に置いておくことをお薦めする。そしてgooglemapを開きそれを地図代わりにするのである。なにしろgooglemapはナスカの地上絵だって見ることが出来るのだからおおいに役立つ。フォティーが地学紀行をする行程に合わせて航空写真や地図、地形図を行き来し同行している気分になるのもいいのではないか。(ビューはプライバシーの保護の面で疑問がある)
さらに地学用語に不案内な人は簡単なものでも地学用語の解説が載っているものがほしい。この本はそれら用語は自明のこととしてがんがん進んでいく。とても地学初心者が読むような本ではない。書かれていることは専門家にはよく分かっていることが大半であり、どちらかというと興味を持ち始めた人にふさわしいと思われるのにこの点の配慮が欠けているように思う。
いずれにしろ著者は英国人でヨーロッパからの視点が中心になるのは仕方がない。こういう本日本人が書いてくれないものかと調べてみたら、あの平朝彦氏がやっていた。あの『日本列島の誕生』〈岩波新書〉の著者である。平氏が地質学の教科書というものを著していた。岩波書店の本だから高い。調べた範囲では「地球46億年全史」にもたびたび登場するアーサー・ホームズの「一般地質学」に匹敵するような本と予想される。価格はむしろ上を行っている。日本的、アジア的視点で書かれているだろうから期待がもてる。
都心に出る機会があったら買ってこようと思う。内容も見ずに買うには高すぎる。私はアマチュアである。
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