『ご冗談でしょう、ファインマンさん』(541)
『ご冗談でしょう、ファインマンさん』(岩波現代文庫)
米国の理論物理学者リチャード・ファインマンの自伝的随想集といったもの。もう大ベストセラーでいまさら紹介するような本ではない。最近いくつかの場面で本書のことを立て続けに聞き、じゃあ読んでみるかと思った次第。日本の理論物理学者朝永振一郎らと共に若くしてノーベル物理学賞を受ける。
広島・長崎への原爆開発をしたマンハッタン計画に大学院生で参加している。このあたりのことは本書に詳しい。まだ若くそんなに重要な地位にあったわけではなく、反省もみられる。
初めは数学を専攻していたが、後、物理学に移る。天才的で直感力に優れていたことが本書の随所で披露されている。
物理なんて教科は私には大学受験で終了してしまったものだから、これも物理が好きだからではなく一番点数が取りやすいと判断したから、述べられている様々な理論は全く理解不能だが、その生き方は破天荒で大変興味深い。
ブラジルの教育への批判、同様なことを日本へも向けているが、アメリカの初等・中等教育数学・科学教科書批判などにみられるように、具体性、実際の場面で生きないような考え方、教育法に鋭い問題の投げかけをしている。数学から物理学へ移行もそのあたりの考え方と関係あるのだろう。
彼は一方でボンゴ演奏で能力を発揮したり、絵画を学んだり、ポルトガル語・日本語を学んだり多芸なところも見せている。来日して湯川・朝永らと親交を結んでもいる。その時のエピソードも楽しい。ただ運動はからっきし駄目だったようだ。ロスアラモスで「金庫破り」に夢中になる様子も大変論理的でおもしろい。
ファインマンを有名にしたものの一つに『ファインマン物理学』という大学での物理学入門書がある。日本では岩波書店から出ている。ずいぶん昔書店でぺらぺらと見たことはあるが、すぐに棚に戻した。
科学教育について各所で触れているが、要は生まれついての才能だなと納得したことが、本書の読後感である。
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「仮説」? 「仮設」? この訳者は普通「仮説」とするだろうところを「仮設」として「設」に傍点を打ってあるんですよ。何か特別の意味があるのかと気になって気になって仕方ありませんでした。
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明日から『危険な戯れ』は正月休みに入ります。みなさんよいお年をお迎えください。


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